症例報告
両眼に網膜色素上皮裂孔を伴った多発性後極部網膜色素上皮症
須田 美嘉
1
,
菊島 渉
1
,
杉山 敦
1
,
櫻田 庸一
1
,
飯島 裕幸
1
,
柏木 賢治
1
1山梨大学医学部眼科学講座
キーワード:
多発性後極部網膜色素上皮症
,
網膜色素上皮裂孔
,
光線力学的療法
,
multifocal posterior pigment epitheliopathy
,
retinal pigment epithelial tear
,
photodynamic therapy
Keyword:
多発性後極部網膜色素上皮症
,
網膜色素上皮裂孔
,
光線力学的療法
,
multifocal posterior pigment epitheliopathy
,
retinal pigment epithelial tear
,
photodynamic therapy
pp.477-485
発行日 2023年5月5日
Published Date 2023/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003131
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20年以上の中心性漿液性脈絡網膜症の既往のある63歳男性の両眼に,網膜色素上皮裂孔を伴う下方の網膜剥離が相次いでみられた。典型的な灰白色網膜下滲出斑は観察できなかったが,多発する網膜色素上皮剥離と可動性のある網膜下液を示し,フルオレセイン蛍光造影の多発漏出像とインドシアニングリーン蛍光造影での脈絡膜血管透過性亢進像から多発性後極部網膜色素上皮症と診断した。
レーザー光凝固治療により左眼の網膜剥離は徐々に吸収されたが,右眼では凝固後に増悪した網膜下液の排液のために硝子体手術を要し,さらに光線力学的療法の追加で視力回復を得た。
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