特集 わかりやすい オートファジーと眼疾患
3 緑内障とオートファジー
北岡 康史
1
1聖マリアンナ医科大学眼科学・分子神経科学
キーワード:
緑内障
,
オートファジー
,
TNF
,
サーチュイン
Keyword:
緑内障
,
オートファジー
,
TNF
,
サーチュイン
pp.337-340
発行日 2023年4月5日
Published Date 2023/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003084
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緑内障は眼圧などが原因で視神経乳頭が特有の陥凹所見を示す神経変性疾患である。最近ヒト摘出眼において末期緑内障の網膜神経線維層中の網膜神経節細胞軸索内でオートファゴソームが観察されたとの報告もあり1),緑内障とオートファジーの関係が注目されている。既に他の中枢神経変性疾患,たとえばAlzheimer病,Parkinson病,筋萎縮性側索硬化症などでのオートファジーの関与が多数報告されているが,これらの多くはオートファジー機能の低下が病態に関与していることを示している。また,これら中枢神経の神経変性疾患は軸索障害が先行し,細胞体死が遅れて生じることがわかっている。軸索障害が先行する緑内障モデルとして,ここではTNF(tumor necrosis factor)硝子体注射モデルと高眼圧モデルを紹介し,現在までにわかっている緑内障とオートファジーの関与についてサマライズしたい。
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