今月の主題 オートファジー
各論
細菌感染とオートファジー
小川 道永
1
,
吉川 悠子
1
,
笹川 千尋
1
Michinaga OGAWA
1
,
Yuko YOSHIKAWA
1
,
Chihiro SASAKAWA
1
1東京大学医科学研究所感染・免疫部門細菌感染分野
キーワード:
オートファジー
,
赤痢菌
,
リステリア
,
IcsB
,
VirG
,
ActA
,
Atg5
,
p62
Keyword:
オートファジー
,
赤痢菌
,
リステリア
,
IcsB
,
VirG
,
ActA
,
Atg5
,
p62
pp.1569-1575
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102165
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最新の研究結果から,オートファジーがミトコンドリアや,不溶性蛋白質凝集体,病原細菌などを特異的に認識し,分解しているという報告が多くなされている.赤痢菌やリステリアなど細胞侵入後にファゴソームから脱出し細胞質内で増殖する病原細菌は,常にオートファジーと対峙する危険に曝されており,菌はこれらを回避,利用するための巧妙な機構を有していることが考えられる.本稿では赤痢菌(Shigella flexneri)およびリステリア(Listeria monocytogenes)によるオートファジー回避機構に関する筆者らの研究を中心に,現在までに報告されている細胞内侵入性病原細菌において観察されるオートファジーの例を最新の知見をもとに紹介する.
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