特集 眼内レンズ度数計算アップデート
4 屈折誤差への対応(術中計測・ピギーバック法)
荒井 宏幸
1
1みなとみらいアイクリニック(横浜市)
キーワード:
多焦点眼内レンズ
,
術中計測
,
Toric眼内レンズ
,
Add onレンズ
,
ピギーバック法
Keyword:
多焦点眼内レンズ
,
術中計測
,
Toric眼内レンズ
,
Add onレンズ
,
ピギーバック法
pp.741-747
発行日 2022年8月5日
Published Date 2022/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002735
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近年になり白内障手術の意義は大きく様変わりしている。Toric IOL(眼内レンズ)や多焦点IOLの開発,光学的眼軸長測定装置や角膜形状解析装置の進歩,白内障用フェムトセカンドレーザーの承認,デジタル的な乱視軸投影機器や術中波面収差解析装置の導入など,すべてのデバイスはより正確な術後の予測屈折度数を達成する方向に進んでいる。特に多焦点IOLにおいては,正視付近にしなければIOLの特性そのものが失われてしまうという,術者としてはストレスを感じる手術となっている。また乱視矯正に関しては,角膜後面形状の計測が可能となったことで,乱視軸をより正確に決定できるようになった。さらに術中波面収差解析によって全眼球乱視の測定および矯正効果の確認も行える時代となっている。屈折矯正手術であれば,術後の屈折誤差への対応は必須であり,LASIK(laser in situ keratomileusis)やICL(implantable collamer lens)のみならず,白内障手術においてもその対応をあらかじめ検討しておく必要がある。本項では,手術中に行う対応として術中波面収差解析(以下,術中計測)を,術後に行う対応としてピギーバック(piggyback)法を紹介しようと思う。
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