特集 眼内レンズ度数計算の最新情報
3 術前屈折値と多焦点眼内レンズ
江口 秀一郎
1
1江口眼科病院(函館市)
キーワード:
多焦点眼内レンズ
,
術前屈折値
,
軸性不同視
,
斜乱視
,
眼内レンズ度数計算式
,
LASIK術後眼
Keyword:
多焦点眼内レンズ
,
術前屈折値
,
軸性不同視
,
斜乱視
,
眼内レンズ度数計算式
,
LASIK術後眼
pp.469-475
発行日 2019年5月5日
Published Date 2019/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001164
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白内障─眼内レンズ手術の普及により,術後無水晶体眼に伴う視機能低下の不自由さは克服された。しかし,依然として調節能力は失われたままで,眼内レンズ挿入眼における調節力の回復が白内障─眼内レンズ手術の大きな課題のひとつとして残されている。この課題の解決策として①眼内レンズを2重焦点または多焦点として有用な近見視力を得る光学デザインを用いた試みと,②眼内レンズを眼内で前方移動または変形させることにより屈折力を変化させて有用な近見視力を得る試みがなされてきた。長年の臨床試験と成績の解析より,②の眼内レンズを移動,変形させて有用な調節力を回復させることは極めて困難であることが認識され1),現在,白内障手術後に眼鏡依存せずに遠方視および近方視するためには多焦点眼内レンズが一般的な選択肢となっている2)。多焦点眼内レンズの普及に伴い,その光学性能を十分に発揮し,かつ副作用を軽減,防止するためには術前に選択した術後屈折値を高い精度で実現し,術後の屈折誤差の少ない精度の高い眼内レンズ度数計算が求められるようになってきた。
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