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目的
眼痛患者における局所点眼麻酔薬への反応性と神経障害性眼痛(neuropathic ocular pain:NOP)の関連について検討する。
対象と方法
2017年4月~2019年3月に慶應義塾大学病院眼科アイペイン外来初診の38名(女性31名,平均年齢55.9±19.6歳)。オキシブプロカイン塩酸塩点眼を用いたベノキシールⓇテストにおいて,点眼前と比較してVASスケールで67%以上改善した末梢性疼痛群と,改善が67%未満の中枢性疼痛群の2群に分類した。NOPはGalorらの報告に従い眼における1)灼熱感,2)風への過敏性,3)温度変化への過敏性,4)光への過敏性の4項目のコンポーネント総数で評価し,自覚的疼痛スコアはDry Eye related Quality of life Score(DEQS)とShort-Form McGill Pain Questionnaire(SF-MPQ)を用いた。末梢性疼痛群,中枢性疼痛群のそれぞれでNOPと自覚的疼痛スコアの相関関係を調査した。
結果
末梢性疼痛群は10名(平均年齢57.2±18.0歳),中枢性疼痛群は28名(平均年齢55.5±20.5歳)であった。両群でNOPコンポーネントに有意な差は認めなかった(末梢性疼痛群1.5±0.8,中枢性疼痛群1.8±1.4,P=0.45)。両群のNOPコンポーネントについて,末梢性疼痛群ではDEQSやSF-MPQとの相関は有意ではないのに対して,中枢性疼痛群ではDEQS,SF-MPQともに有意な相関を示した(DEQS:Spearman score=0.539,SF-MPQ:Spearman score=0.503)。
結論
ベノキシールⓇテストにおける中枢性疼痛群では,自覚的疼痛と神経障害性要素の関連が強いことが示唆された。
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