私の経験
網膜厚の菲薄化がみられた側頭葉てんかんに対する前側頭葉切除後の1例
野口 久美子
1
,
粕谷 友香
1
,
牧野 伸二
1
1自治医科大学眼科学講座
キーワード:
側頭葉てんかん
,
前側頭葉切除
,
光干渉断層計
,
逆行性経シナプス変性
Keyword:
側頭葉てんかん
,
前側頭葉切除
,
光干渉断層計
,
逆行性経シナプス変性
pp.487-491
発行日 2022年5月5日
Published Date 2022/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002624
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光干渉断層計によって,網膜厚の菲薄化が観察された側頭葉てんかんに対する前側頭葉切除後の症例を報告する。患者は51歳,女性。視力低下のため受診した。21年前に,側頭葉てんかんに対して左前側頭葉外側切除が施行されていた。視力は右(0.5),左(0.15)で,眼底は両眼とも緑内障性視神経乳頭陥凹と視神経萎縮がみられた。Goldmann視野検査では右上1/4同名半盲と緑内障性視野障害が認められた。光干渉断層計では両眼とも広範に網膜神経線維層厚および網膜神経節細胞層厚の菲薄化がみられた。網膜厚の菲薄化は側頭葉切除に伴う逆行性経シナプス変性に,緑内障による変化が加味されたものと考えられた。
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