Japanese
English
総説
側頭葉てんかん
Temporal Lobe Epilepsy:A Practical Review
朝倉 哲彦
1
Tetsuhiko ASAKURA
1
1鹿児島大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Faculty of Medicine, University of Kagoshima
キーワード:
Temporal lobe epilepsy
,
Surgical treatment
,
Pathophysiology
Keyword:
Temporal lobe epilepsy
,
Surgical treatment
,
Pathophysiology
pp.699-706
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200652
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はじめに
てんかんは有害刺激noxious stimuli,Noxeに対する脳の反応の特異的な様式のひとつである.有害刺激の作用している部位が脳のある領野に限局している場合には,その領野の機能解剖学的特性に基づいた症候,すなわち発作症状を呈する.有害刺激の作用する部位を明確にすることができて,さらに有害刺激の性状すなわち病理学的変化を知りうれば,その有害刺激を除去することを意図して,てんかんの外科的治療の可能性が生ずる.
側頭葉てんかん(Temporal lobe epilepsy以下TLEと略記する)は限局性てんかんの代表的なものであり,側頭葉は有害刺激の作用しやすい部位であること,てんかん性の反応を呈しやすい領野を含んでいること,複雑な機能解剖学的特性を有していること,さらに重篤な神経脱落症状をもたらさないような切除が可能であるといった要件を満たしているので,てんかん外科の好個の治療対象となってきた.
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