症例報告
急性増悪した眼瞼下垂による受診を契機に診断された眼窩悪性リンパ腫の1例
金坂 莉子
1,4
,
半沢 友理
2
,
大木 哲太郎
2,3
,
加畑 好章
2
,
中野 匡
4
1町田市民病院眼科(町田市)
2東京慈恵会医科大学第三病院眼科
3大木眼科(東京都豊島区)
4東京慈恵会医科大学眼科学講座
キーワード:
眼窩悪性リンパ腫
,
眼瞼下垂
,
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
,
orbital malignant lymphoma
,
ptosis
,
diffuse large B-cell lymphoma
Keyword:
眼窩悪性リンパ腫
,
眼瞼下垂
,
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
,
orbital malignant lymphoma
,
ptosis
,
diffuse large B-cell lymphoma
pp.465-471
発行日 2022年5月5日
Published Date 2022/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002621
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急性増悪した眼瞼下垂による受診を契機に診断された眼窩悪性リンパ腫の1例を報告する。症例は86歳女性。急性増悪した右眼瞼下垂を主訴に紹介受診した。初診時,著明な右眼瞼下垂と眼球運動の障害,また触診において右上眼瞼に可動性良好,弾性硬の腫瘤を触れた。右眼は努力開瞼により瞼縁角膜反射距離0mm,自然開瞼は不可能であった。画像診断,採血結果から眼窩悪性リンパ腫を疑い生検を行った。臨床所見,病理結果,フローサイトメトリーの検査結果も踏まえ,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)と診断され,治療を開始した。DLBCL等の眼窩悪性リンパ腫は一般的な眼疾患の背後に潜んでいることがあり,また,その病型によっては患者の生命予後を左右するため,その存在を頭に入れて診療にあたることが望ましいと考えられた。
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