私の経験
Clinically isolated syndromeとして外転神経麻痺を初発症状とした1例
野口 久美子
1
,
牧野 伸二
1
1自治医科大学眼科学講座
キーワード:
clinically isolated syndrome
,
外転神経麻痺
,
多発性硬化症
Keyword:
clinically isolated syndrome
,
外転神経麻痺
,
多発性硬化症
pp.385-389
発行日 2022年4月5日
Published Date 2022/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002584
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外転神経麻痺を初発症状としたclinically isolated syndromeの1例を報告する。
14歳男性が複視を主訴に受診した。眼位は左内斜視で,左眼は正中を超える外転が不可能であった。頭部MRIでは,橋左側に造影効果のある病変,右側頭葉に造影効果のない病変がみられた。髄液中オリゴクローナルバンドが陽性で,多発性硬化症が強く疑われたが,その他の神経症状がないことから,clinically isolated syndromeと診断された。メチルプレドニゾロン1,000mg/日,3日間のパルス療法を2クール施行し,外転神経麻痺は改善した。受診から6か月の現在,新たな神経症状は出現していないが,今後,視神経炎や新たな神経症状の出現に留意して経過観察する必要がある。
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