特集 覚えておきたい神経眼科疾患
Ⅱ.眼球運動障害 7.眼窩先端症候群
檜森 紀子
1
1東北大学大学院医工学研究科 生体再生医工学 視覚抗加齢医工学分野
pp.1379-1386
発行日 2021年12月24日
Published Date 2021/12/24
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002422
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眼窩先端症候群は眼窩先端部(orbital apex)の障害により,一側の視神経,動眼神経,滑車神経,外転神経,三叉神経第1枝の障害を呈する疾患である。原因がサルコイドーシスやantineutrophil cytoplasmic antibody(ANCA)関連血管炎などの炎症性疾患,感染症,腫瘍,肥厚性硬膜炎など多様である。眼窩先端症候群はまれではあるが,原因が多岐にわたっているため他疾患との鑑別が難しい。原因が炎症性疾患による場合にはステロイド治療が中心となり著効する。診断的治療を兼ねてステロイド治療が行われることがあるが,感染が原因であった場合致死的な重症化を呈することがあり,治療は慎重に行うべきである。
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