Ⅵ.神経眼科
5.眼窩先端症候群
加島 陽二
1
1日本大学医学部視覚科学系眼科学分野
キーワード:
視神経管
,
上眼窩裂
,
海綿静脈洞
,
真菌性副鼻腔炎
,
ANCA関連疾患
,
海綿静脈洞血栓症
Keyword:
視神経管
,
上眼窩裂
,
海綿静脈洞
,
真菌性副鼻腔炎
,
ANCA関連疾患
,
海綿静脈洞血栓症
pp.1209-1214
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001881
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眼窩先端症候群とは,視力低下,全方向への眼球運動制限,および眼神経領域の知覚障害を伴う症候群であり,解剖学的特徴からその名称が病巣局在を示している。視力低下または複視を主訴として全外眼筋麻痺(不全麻痺の場合も多い)と視神経障害が検出されれば本症候群を疑う。原因としては,外傷例では細径の棒状異物による穿孔性外傷にみられやすい。非外傷例では感染症として致死率の高い真菌性副鼻腔炎および海綿静脈洞血栓症に注意する。また炎症性疾患であるANCA関連疾患は常に全身性疾患の可能性を考慮する。本症候群では画像診断が重要であり,特に真菌性副鼻腔炎と海綿静脈洞血栓症では迅速かつ的確な診断と治療が必要である。
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