特集 覚えておきたい神経眼科疾患
Ⅱ.眼球運動障害 8.Ocular tilt reaction
城倉 健
1
1横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(横浜市)
pp.1387-1391
発行日 2021年12月24日
Published Date 2021/12/24
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002423
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Ocular tilt reaction(OTR)は中枢前庭系のimbalanceにより眼球が回旋偏倚した状態で,内旋眼が高位,外旋眼が下位の眼位のずれ(skew deviation)や,回旋方向(眼球の上極が傾斜する方向)への頭部の傾斜を伴う。上下方向の複視や眼球の回旋方向への突進傾向(lateropulsion)を自覚することが多い。OTRは中枢神経系の障害で出現することが多く,同様に頭部の傾斜と上下方向の複視を呈する滑車神経麻痺(末梢性の障害)との鑑別が重要である。ただし,滑車神経麻痺では高位眼が外旋しているため,高位眼が内旋するOTRとの鑑別は困難ではない。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.