特集 覚えておきたい神経眼科疾患
Ⅰ.視神経疾患 11.薬剤性視神経症
高井 康行
1
,
山上 明子
1
1井上眼科病院 眼科(東京都千代田区)
pp.1311-1317
発行日 2021年12月24日
Published Date 2021/12/24
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002412
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視神経は薬物や有機溶媒などの化学物質により障害を受けやすい1)。多くは無痛性で,緩徐進行性の両側性の視力低下を主体として,中心または傍中心暗点や色覚障害を併発する。薬剤性の視神経障害をきたす薬剤は多岐にわたるが(表1),近年では抗がん剤や免疫抑制剤の領域で新薬が多く開発され,特に免疫チェックポイント阻害剤による免疫関連事象による視神経炎に代表されるような,免疫学的機序による視神経障害の報告も増えている。その一方で,有機溶媒による中毒性視神経症はほとんどみられなくなっている。ここでは代表的な視神経障害をきたす薬剤と新薬である免疫チェックポイント阻害薬について解説する。
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