特集 覚えておきたい神経眼科疾患
Ⅰ.視神経疾患 9.鼻性視神経症
井上 晋也
1
,
鈴木 利根
1,2
1獨協医科大学埼玉医療センター眼科
2医療法人ひかり眼科(吉川市)
pp.1297-1302
発行日 2021年12月24日
Published Date 2021/12/24
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002410
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鼻性視神経症は,副鼻腔疾患が原因となり引き起こされる視神経障害である。炎症・嚢腫・腫瘍などの副鼻腔疾患により,視神経への炎症の波及または機械的な圧迫が原因となり発症する1)。急激な視力・視野障害を認め,炎症・腫瘤による疼痛などの症状を伴うことがあり,症状や眼所見が球後視神経炎と類似しており鑑別が重要である。診断には副鼻腔手術歴・鼻症状の問診やCT・MRIなどの画像検査が必要となる。鼻性視神経症の治療は確立された基準はないが,不可逆性の視力障害を残す場合があるため,できる限り早期の手術加療が勧められる2)。眼科医のみでの加療は困難なので,素早い適切な診断と耳鼻科医との連携が重要である。
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