特集 覚えておきたい神経眼科疾患
Ⅰ.視神経疾患 13.小児の視神経症
木村 亜紀子
1
1兵庫医科大学眼科学教室
pp.1324-1333
発行日 2021年12月24日
Published Date 2021/12/24
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002414
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小児の視力低下は,全身疾患の初発症状のこともあり,小児科との連携は欠かせない。幼少であればあるほど,両眼性の視力低下になってから受診することが知られている。視力低下を訴えることができる年齢であれば片眼性で,視力低下を訴えることができない乳幼児では,その異常な行動に保護者が気づいて病院を受診することになる。小児の視神経症による視力低下の原因は,脱髄性,炎症性,外傷性,鼻性,遺伝性などさまざまであるが,原因不明の特発性が最も多い。小児の視神経炎は予後良好であることが知られているが,多発性硬化症や視神経脊髄炎に移行する症例の初発症状となるケースもあることから,長期的にみて本当に予後良好かは不明であろう。少なくとも小児期に視力低下を残さないよう,治療時期を逸することなく適切な治療を行うことが重要である。
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