私の経験
Lacquer crackを伴う病的近視眼でみられたBruch膜開口部の不均一な拡大
岩見 千丈
1
,
妹尾 佳平
1
,
山下 あさひ
2
1北上済生会病院眼科(北上市)
2岩手県立中部病院眼科(北上市)
キーワード:
病的近視
,
不均一なBruch膜開口部の伸展
,
不均一なαゾーンの伸展
,
pathologic myopia
,
uneven expansion of Bruch membrane opening
,
uneven elongation of alpha-zone
Keyword:
病的近視
,
不均一なBruch膜開口部の伸展
,
不均一なαゾーンの伸展
,
pathologic myopia
,
uneven expansion of Bruch membrane opening
,
uneven elongation of alpha-zone
pp.1005-1013
発行日 2021年10月5日
Published Date 2021/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002304
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Lacquer crack(以下LC)が発生・進行した病的近視眼で,Bruch膜開口部(以下BMO)のBruch膜断端部(以下E-BM)の動きについて観察を試みた。
黄斑部付近にLCがみられる4症例7眼の,5~7年経過した前後の眼底写真を対象に,重ねた写真を交互に観察する方法(flicker chronoscopy法)を利用してコーヌスのαゾーンの動きを観察し,その動きからE-BMの動きを推察した。
結果,7眼すべてでαゾーンは伸展していた。そのうち6眼ではαゾーンの伸展は不均一であった。4眼ではいずれも乳頭耳側付近のγゾーンの存在する領域内でαゾーンの部分的な伸展があった。他の2眼ではγゾーンの存在する領域とコーヌスのない乳頭縁の間で部分的なαゾーンの伸展がみられた。1眼では,αゾーンの不均一な伸展は新たに発生したコーヌス内で起きていた。
αゾーンの動きはBruch膜の動きを反映していると考えられることから,αゾーンの不均一な伸展は,BMOの拡大進行が不均一であることを示していると思われた。そしてその原因としては,E-BMの部分的なほつれや断裂,E-BMの強膜からの剥離の進行が考えられた。
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