私の経験
血管新生緑内障を契機に肥厚性硬膜炎が判明した1例
岡本 紀夫
1
,
張野 正誉
2
,
中井 慶
3
,
寺村 一裕
4
1おかもと眼科(吹田市)
2はりの眼科(大阪市)
3淀川キリスト教病院眼科(大阪市)
4淀川キリスト教病院病理診断科
キーワード:
血管新生緑内障
,
肥厚性硬膜炎
,
交感性眼炎
,
neovascular glaucoma
,
hypertrophic pachymeningitis
,
sympathetic ophthalmia
Keyword:
血管新生緑内障
,
肥厚性硬膜炎
,
交感性眼炎
,
neovascular glaucoma
,
hypertrophic pachymeningitis
,
sympathetic ophthalmia
pp.1015-1019
発行日 2021年10月5日
Published Date 2021/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002305
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74歳男性。1週間前より左眼の頭痛と結膜充血を自覚し,おかもと眼科を受診した。結膜充血,角膜混濁,虹彩ルベオーシス,狭隅角,白内障があり,眼圧が56mmHgと上昇していたので,血管新生緑内障と診断し,淀川キリスト教病院眼科へ紹介した。眼虚血を疑いガドリニウム造影T1強調磁気共鳴を施行したところ,硬膜と左眼の強膜が強く造影されたことから肥厚性硬膜炎,左眼の強膜炎と診断された。強膜の生検を行い,形質細胞がみられた。また,そのときの血清IgG4は124mg/dLであった。初診から4年後に肥厚性硬膜炎の再燃があったので血清IgG4を再度測定したところ156mg/dLと増加していた。肥厚性硬膜炎により,血管新生緑内障が引き起こされた可能性は否定できないと考えられた。
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