私の経験
眼瞼痙攣患者に対するおもり負荷試験の有用性
木内 克治
1
1医療法人 木内眼科(大阪市)
キーワード:
眼瞼痙攣
,
おもり負荷試験
,
ボトックス
,
瞬目試験
,
Müller筋機械受容器
,
眼輪筋
Keyword:
眼瞼痙攣
,
おもり負荷試験
,
ボトックス
,
瞬目試験
,
Müller筋機械受容器
,
眼輪筋
pp.905-909
発行日 2021年9月5日
Published Date 2021/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002264
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目 的:おもり負荷試験が眼瞼痙攣の診断に有用かどうかを若倉法,瞬目試験と比較検討した。
対象と方法:2014年2月から2020年10月までの82か月間に医療法人 木内眼科(以下当院)を受診し,眼瞼痙攣が疑われた患者21人(男性6人,女性15人,38~85歳,平均年齢59歳±20.2歳)を対象とした。おもり負荷試験は眼瞼下垂・眼瞼痙攣検査用器具セットであるLid Load(メディカルユーアンドエイ)の3グラムのおもりを用いて評価した。
結 果:平均観察期間は674±725日であり,対象となった21人すべてが眼瞼痙攣と診断された。瞬目試験による重症度分類では,軽症(1~2点)が4人,中等症(3~5点)が11人,重症(6~9点)が6人であった。おもり負荷試験では21人中13人が正面視もしくは上方視で片眼もしくは両眼の眼瞼の痙攣を生じ陽性と判断された。陽性と判断された患者は軽症群4人中1人(25%),中等症群11人中8人(73%),重症群6人中4人(67%)であった。今回の検討から,3グラムのおもり負荷試験は軽症例から重症例にかけて眼瞼痙攣を誘発することが明らかとなった。おもり負荷試験は眼瞼痙攣の補助診断として有用であり,A型ボツリヌス毒素(ボトックス)注射を行うかどうかの判断材料になり得る検査と考えられた。
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