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目的
長眼軸長眼の白内障手術でBarrett UniversalⅡ式(以下,BUⅡ式)が有用と報告されており,今回27ゲージ(G)硝子体白内障同時手術におけるBUⅡ式の屈折誤差について検討する。
対象と方法
順天堂大学医学部附属浦安病院において2018年4月から9月の間に27G硝子体手術と白内障手術の同時手術を受けた症例のうち,3か月以上経過観察できた症例を対象とした。眼内レンズはNX-70を使用した。これらの症例に対し,術前の予想屈折値をBUⅡ式とSRK/T式(以下,S式)それぞれで算出し,術後1週間,1か月,3か月の時点での等価球面度数を求め,術後度数−予想屈折値を屈折誤差として各式で比較した。また,正常眼軸長を23.00mm以上25.00mm未満としたときの,短眼軸眼,正常眼軸眼,長眼軸眼それぞれの群においても各式での屈折誤差を比較・検討した。
結果
対象症例は50例50眼,男性35例,女性15例,平均年齢65.1±11.2歳であった。屈折値の誤差はBUⅡ式で術後1週間−0.21±1.03D,1か月0.0±1.57D,3か月0.0±1.66D,S式で術後1週間−0.20±1.1D,1か月+0.12±1.62D,3か月+0.03±1.68Dで2群とも術後1週間ではやや近視化の傾向にあり,2群間に有意差は認めなかった。眼軸長ごとに検討した場合,長眼軸長眼において術後3か月の時点で有意にS式よりBUⅡ式で屈折誤差が少なかった(BUⅡ式−0.06±0.98D,S式−0.16±1.07D,P=0.0488)。
結論
27G硝子体白内障同時手術に際してのBarrett UniversalⅡ式による予想屈折値は術後3か月の時点で長眼軸長眼において従来のSRK/T式よりも誤差が少なかった。
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