特集 日常診療における角膜内皮
1 フックス角膜内皮ジストロフィと角膜グッタータ
山口 剛史
1
1東京歯科大学市川総合病院眼科
キーワード:
フックス角膜内皮ジストロフィ
,
角膜グッタータ
,
角膜内皮細胞
,
水疱性角膜症
,
前房水
,
炎症
Keyword:
フックス角膜内皮ジストロフィ
,
角膜グッタータ
,
角膜内皮細胞
,
水疱性角膜症
,
前房水
,
炎症
pp.1397-1405
発行日 2020年12月5日
Published Date 2020/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001952
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細胞の形態学的異常として,「細胞数(密度)の減少」「不均一な細胞の大きさ」があるが,角膜内皮細胞に特有なものに「角膜グッタータ(guttataまたはguttae,本稿ではグッタータ)」が挙げられる。角膜グッタータはフックス(Fuchs)角膜内皮ジストロフィにみられる。本疾患は欧米では40歳以上の人口の5%にみられ角膜移植適応の最も多い原因である。国内においてもその数は増加傾向にあり,日常診療でもよく見かけるようになってきたと感じる。角膜グッタータのある患者は,正常眼と比較して,内眼手術後に水疱性角膜症になりやすい。また,角膜グッタータ自体が視機能に影響をすることが近年,わかってきた。したがって,角膜グッタータは臨床上,見落としてはならない重要な所見のひとつといえる。本稿では,フックス角膜内皮ジストロフィと角膜グッタータの病理,白内障手術での注意点と対処法,および最近わかってきた角膜内皮研究の最前線について,解説する。
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