増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
7.加齢黄斑変性
黄斑下出血—治療成績を左右する初診対応のポイント
武内 潤
1
1名古屋大学大学院医学系研究科眼科学・感覚器障害制御学教室
キーワード:
黄斑下出血
,
加齢黄斑変性
,
ポリープ状脈絡膜血管症
Keyword:
黄斑下出血
,
加齢黄斑変性
,
ポリープ状脈絡膜血管症
pp.230-235
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110230
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はじめに
黄斑下出血(submacular hemorrhage:SMH)の主な原因としては,網膜細動脈瘤(retinal microaneurysm:MA)の破裂,新生血管型加齢黄斑変性(neovascular age-related macular degeneration:nAMD),なかでもポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:PCV)が挙げられる。SMHは発症直後から急激に視力を低下させ,実験モデルでは発症後24時間以内に視細胞外節の障害が始まり,7〜14日以内に不可逆的な視機能障害へ進行することが報告されている1)。したがって,速やかな診断と治療介入が視力予後を左右する重要な鍵となる。本稿では,特にnAMD・PCVを原因とするSMHに対する初期対応の実際について概説する。

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