増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
7.加齢黄斑変性
加齢黄斑変性—視力維持のために注目するべき危険サイン
片岡 恵子
1
1杏林大学医学部眼科学教室
キーワード:
加齢黄斑変性
,
黄斑下出血
,
網膜色素上皮剝離
Keyword:
加齢黄斑変性
,
黄斑下出血
,
網膜色素上皮剝離
pp.212-216
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110212
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はじめに
新生血管型加齢黄斑変性(neovascular age-related macular degeneration:nAMD)は,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬の登場と抗VEGF薬の適切な投与の継続により,良好な視力改善と,その改善した視力の維持が可能な時代となった。しかしながら,今でもnAMDから急な黄斑下出血(submacular hemorrhage:SMH)が生じ,視力が低下する例は後を絶たない。滲出を伴うnAMDに遭遇した場合,どれくらい緊急に抗VEGF薬の投与を計画するのか,もしくは自院で抗VEGF薬の投与を行えない場合,どれくらい急いで基幹病院へ紹介するのか判断に迷うこともある。本稿では,SMHを生じる前の危険サインについて実際の症例を紹介しながら解説する。

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