- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
目的
日本の実臨床における滲出型加齢黄斑変性(wet age-related macular degeneration:wAMD)診療の実態を調査する。
対象と方法
日本全国の開業医,基幹・市中病院および大学病院の勤務医からなるwAMD実地診療を担う専門医(wAMD専門医)84名を対象に,wAMD診療に関するアンケート調査を実施した。
結果
wAMD治療経験年数が11年以上の医師が対象の59.3%を占めた。wAMDを確定診断するために,ほぼすべての医師が光干渉断層計検査を実施し,さらに眼底検査,フルオレセイン蛍光眼底造影,インドシアニングリーン蛍光眼底造影も実施率が高く,約90%の医師が実施していた。未治療wAMD患者に対する主な治療方針は,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬単独治療を91.6%の医師が選択した。維持期の抗VEGF薬投与レジメンは,treat and extendが54.2%で,pro re nataの25.3%よりも多かった。抗VEGF薬に反応不良なwAMD患者に対する対応は,他の抗VEGF薬に切り替える医師と,光線力学的療法(photodynamic therapy:PDT)を併用する医師がほぼ同数であった。特殊病型のポリープ状脈絡膜血管症に対する初回治療は,約80%がアフリベルセプトを選択したが,抗VEGF薬とPDTを併用する医師も増加していると推測された。
結論
アンケート調査により日本の実臨床におけるwAMD診療の実態が明らかになった。今後,wAMD診療の新たな標準化の必要性に関してwAMD専門医を中心に議論していく必要がある。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.