特集 デジタル化が進む眼科手術
3 OCTの手術への応用
井上 真
1
1杏林アイセンター
キーワード:
光干渉断層計
,
術中OCT
,
網膜硝子体手術
,
黄斑手術
,
ヘッズアップ手術
,
optical coherence tomography
,
intraoperative OCT
,
vitreoretinal surgery
,
macular surgery
,
heads-up surgery
Keyword:
光干渉断層計
,
術中OCT
,
網膜硝子体手術
,
黄斑手術
,
ヘッズアップ手術
,
optical coherence tomography
,
intraoperative OCT
,
vitreoretinal surgery
,
macular surgery
,
heads-up surgery
pp.21-27
発行日 2020年1月5日
Published Date 2020/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001514
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光干渉断層計(optical coherence tomography,以下OCT)は光の干渉現象を利用して光学的切片の画像化ができる装置である。眼科診療において,もはやOCTは欠くことのできない存在になっている。OCTでは検眼鏡的には観察困難であった微細な漿液性網膜剥離,網膜内嚢胞,硝子体による黄斑牽引などが捉えられる。一般診療で用いている細隙灯顕微鏡は斜めからのスリット光で光学的断層像を観察できる。一方,手術顕微鏡は前方から観察像を捉えているため,細隙灯顕微鏡で得られるような情報が得られず術中の判断が難しい場合がある。術中OCTは眼科手術顕微鏡に内蔵されたOCTであり,その手術顕微鏡の欠点を補うことができる。現在市販されている術中OCTはCarl Zeiss Meditec社のRESCAN 700とLeica社のEnFocusがある。3年間にわたるDISCOVER studyでは後眼部手術を行った593眼で術中OCTの有用性が検討され,29.2%の症例で術中の判断を左右したと報告されている1)。今回はRESCAN 700の網膜硝子体手術での応用,特に実際の症例での使用例を解説する。
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