特集 第1部 最近の眼科薬物治療 Ⅶ.神経眼科疾患
7 調節麻痺剤
彦谷 明子
1
1浜松医科大学眼科学教室
キーワード:
調節麻痺剤
,
低濃度アトロピン点眼液
,
弱視治療
,
アトロピンペナリゼーション
,
近視進行予防
,
ムスカリン受容体拮抗薬
Keyword:
調節麻痺剤
,
低濃度アトロピン点眼液
,
弱視治療
,
アトロピンペナリゼーション
,
近視進行予防
,
ムスカリン受容体拮抗薬
pp.1191-1195
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001384
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屈折異常に対する調節麻痺剤は,調節麻痺下の屈折検査,弱視治療であるアトロピンペナリゼーション,近視進行予防に用いられている。いずれも小児を対象とし,本邦において保険適用があるのは,屈折検査,弱視治療への使用である。小児の屈折検査では,調節が介入するため,調節麻痺下でなければ正確な屈折値が得られない。弱視治療では,眼鏡で屈折異常を矯正したうえで,アトロピンペナリゼーションやアイパッチによる健眼遮閉治療を行う必要があり,正確な屈折検査を行うことが不可欠である。学童期の近視進行予防については,アトロピン硫酸塩水和物(以下アトロピン)点眼液は屈折度や眼軸長において統計学的に有意に進行を抑制すると結論されるが,副作用やリバウンドの問題がある。低濃度アトロピン点眼液は近視進行予防手段として最も注目されている。
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