特集 第1部 最近の眼科薬物治療 Ⅴ.網膜疾患
3 近視性黄斑症の抗VEGF療法
大西 由花
1,2
,
横井 多恵
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野
2東京都立駒込病院眼科(東京都文京区)
キーワード:
近視性脈絡膜新生血管
,
ラニビズマブ
,
アフリベルセプト
,
近視性CNV関連黄斑部萎縮
Keyword:
近視性脈絡膜新生血管
,
ラニビズマブ
,
アフリベルセプト
,
近視性CNV関連黄斑部萎縮
pp.1117-1124
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001372
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
病的近視はさまざまな眼合併症から視機能障害を引き起こす。このうち黄斑部に生じる種々の眼底病変は,近視性黄斑症と総称される。近視性黄斑症のなかでも,近視性脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)は,比較的若年期から近視患者の中心視力を不可逆的に障害し,失明の最大の要因となる深刻な眼合併症である。治療は現在,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬が第一選択である。同薬剤は2000年代前半より加齢黄斑変性症(AMD)の治療薬として普及し,その後,近視性CNV治療へも適応が拡大したが,各抗VEGF薬の特性と詳細は他稿に譲り,本稿では近視性黄斑症に対する抗VEGF療法の有用性と今後の課題を述べる。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.