特集 第1部 最近の眼科薬物治療 Ⅳ.ぶどう膜
3 感染性ぶどう膜炎(梅毒,結核,トキソプラズマ)
慶野 博
1
1杏林大学医学部眼科学教室
キーワード:
感染性ぶどう膜炎
,
梅毒
,
結核
,
トキソプラズマ
,
HIV
Keyword:
感染性ぶどう膜炎
,
梅毒
,
結核
,
トキソプラズマ
,
HIV
pp.1094-1100
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001369
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梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum:TP)の感染によって生じる性行為感染症である1)。梅毒感染は第Ⅰ期梅毒(初期硬結,硬性下疳,両側鼠径リンパ節腫脹),第Ⅱ期梅毒(梅毒性バラ疹,扁平コンジローマ)を経て第Ⅲ期梅毒へと移行する1)。梅毒性ぶどう膜炎は主に第Ⅱ期以降で観察される2)。わが国の新規梅毒感染者数は2010年から急激に増加傾向を示しており,最近ではHIV(human immunodeficiency virus)感染との併発感染により非特異的な経過をたどる症例や重症例も散見される3)4)。2009年に施行されたぶどう膜炎全国疫学調査では全体の0.4%と報告されているが5),今後梅毒性ぶどう膜炎の患者数の増加が予想される。
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