特集 緑内障の視野結果をどう解釈するか?
3 Humphrey視野解釈の基本
岩瀬 愛子
1
1たじみ岩瀬眼科(多治見市)
キーワード:
ハンフリー視野計
,
緑内障判定
Keyword:
ハンフリー視野計
,
緑内障判定
pp.685-696
発行日 2019年7月5日
Published Date 2019/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001234
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緑内障診療において,視野検査は診断と進行速度の判定に重要である。そして,緑内障診断の機能検査を担う視野検査は,常に,眼底所見との整合性をもって判断されなければならない。単に,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)で組織の菲薄化が検出できても,その所見が緑内障によるものであるかどうかの診断は,視神経乳頭の立体的な観察による色調も含めた緑内障に特徴的な視神経所見,すなわち,視神経乳頭陥凹の拡大,視神経乳頭辺縁部(rim)の色調および菲薄化,網膜神経線維層欠損(retinal nerve fiber layer defect)の所見・位置と視野の所見が対応していなければならない。「検出」は,所見の組み合わせにより,明らかに緑内障と診断できる場合(確定緑内障)と,視神経所見などからは緑内障に特徴的な所見を有するにもかかわらず,いかなる視野検査にも異常がない場合(glaucoma-like disc, glaucoma suspectなど),視神経所見から緑内障性視神経症の基準は満たしているものの通常の視野検査とされる検査では視野異常が検出できない時期の緑内障,いわゆる前視野緑内障(preperimetric glaucoma:PPG)などとの鑑別となる。また「進行速度の判定」は,緑内障の診療方針決定に重要であるが,繰り返し取られた信頼のおける複数の検査結果があってこそ可能となる。
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