臨床報告
チューブシャント手術後にアーメド緑内障バルブが結膜外に露出し脱落した1例
今村 拓
1
,
森 崇正
1
,
南川 貴之
1
,
大路 正人
1
1滋賀医科大学眼科学講座
キーワード:
緑内障
,
アーメド緑内障バルブ
,
チューブシャント手術
,
結膜上露出
Keyword:
緑内障
,
アーメド緑内障バルブ
,
チューブシャント手術
,
結膜上露出
pp.303-306
発行日 2019年3月5日
Published Date 2019/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001093
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背景
アーメド緑内障バルブ(Ahmed glaucoma valve:AGV)は2014年に日本で認可され,難治性緑内障に対しても適応のある有用な術式であるが,術後にAGVのプレートやチューブが露出する合併症が報告されている。今回AGVが結膜外に露出し,その後脱落した症例を経験したので報告する。
症例
70歳女性,右眼の落屑緑内障で近医通院しており,過去に2度の線維柱帯切除術を含め加療されていたが,眼圧コントロール不良のため当院を紹介受診された。右眼耳上側よりAGVを用いたチューブシャント手術を施行し,術後経過良好であったが,退院2か月後の診察でプレートが結膜外に露出している所見がみられた。チューブの先端は眼内に入っており眼圧は7mmHgであった。AGVの再縫着手術を予定したが,入院後にAGVが自然に脱落したため,手術は耳上側のAGVの留置されていた部分の抜糸,結膜縫合を行い耳下側よりAGVを新規に留置した。
結論
本症例では結膜縫合部の離解が原因と考えられた。露出したプレートやチューブからの感染で眼内炎に移行した例もあり,早期の処置が望ましい。
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