臨床報告
エクスプレスが無効であった難治性緑内障を合併した虹彩角膜内皮症候群に対してアーメド緑内障バルブが奏効した1例
矢島 潤一郎
1,2
,
結城 賢弥
2
,
小野 岳志
2
,
坪田 一男
2
1日野市立病院眼科(日野市)
2慶應義塾大学医学部眼科学教室
キーワード:
虹彩角膜内皮症候群
,
エクスプレス
,
アーメド緑内障バルブ
,
iridocorneal endothelial syndrome(ICE syndrome)
,
EX-PRESS glaucoma filtration device
,
Ahmed glaucoma valve implant
Keyword:
虹彩角膜内皮症候群
,
エクスプレス
,
アーメド緑内障バルブ
,
iridocorneal endothelial syndrome(ICE syndrome)
,
EX-PRESS glaucoma filtration device
,
Ahmed glaucoma valve implant
pp.91-95
発行日 2019年1月5日
Published Date 2019/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001022
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37歳男性。以前から近医において左眼の瞳孔偏位を指摘されており,左眼圧30mmHgと高値を認め高眼圧症のため点眼加療されていたが,精査加療目的に当院を紹介受診した。初診時の左眼視力(1.2)で,瞳孔偏位および虹彩裂隙があり,面積の大きい不整な異常角膜内皮細胞を認め,虹彩角膜内皮症候群と診断した。点眼加療を続けるも眼圧改善せず,視野障害は認めなかったものの光干渉断層計で網膜神経節細胞複合体厚の菲薄化の進行を認めたため,エクスプレス挿入術を施行した。しかし術後も眼圧調整が得られず,点眼やニードリングを追加したが改善を認めなかった。上方の視野進行も認めたため,アーメド緑内障バルブ挿入術を追加した。その後点眼2剤併用により眼圧調整が得られた。虹彩角膜内皮症候群に伴う続発緑内障に対して,エクスプレスが無効である場合にアーメド緑内障バルブは有効である。
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