私の経験
神奈川県川崎市の菊地眼科クリニックにおける在宅医療の実態
菊地 琢也
1
,
小出 良平
1
1菊地眼科クリニック(川崎市)/昭和大学医学部眼科学講座
キーワード:
在宅医療
,
往診
,
QOL
,
認知症
Keyword:
在宅医療
,
往診
,
QOL
,
認知症
pp.307-312
発行日 2019年3月5日
Published Date 2019/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001094
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背 景:在宅医療の診療科として内科や歯科は認知されているが,これまで眼科はあまり認知されていない。
目 的:眼科クリニックにおける在宅医療の現状を報告する。
対象と方法:2014年1月~2018年3月に菊地眼科クリニックが往診を行った126名を対象とし,診療録をもとに在宅医療の現状を後ろ向きで検討した。
結 果:男女比は1:2で,女性が多かった。年齢は80歳代が最も多かった。往診を希望する理由は,歩行困難,体力低下などの日常生活動作(ADL)低下に伴うものが最も多かった。往診の依頼は,ケアマネージャーからの紹介が最多で,施設からの依頼,在宅医からの紹介の順であった。地域は,当院の近隣がほとんどで,県外からの依頼もあったがすべて当院から16km圏内であった。患者の主訴は,視力低下が最多で,そのうち白内障と診断された者は56名だった。
考 按:現在,眼科の在宅医療に関しては依頼がないので積極的に診療できない場合がある。しかし在宅でのQOL向上を目指すために,より良く見える,質の良い見え方を提供することは必須である。そのため,これから迎える超高齢社会に対して眼科在宅医療は重要なポジションにあると考える。今後,各医療機関およびケアマネージャーとの連携を強固にしていく必要性がある。
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