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目的
白内障手術において3種類のアクリルシングルピース眼内レンズ挿入後の屈折誤差の経時的変化の相違を明らかにする。
対象と方法
白内障手術でアクリルシングルピース眼内レンズを挿入された症例のうち,眼軸長が22.5~28.0mmであった144例207眼を対象とした。内訳はNS1(興和社製):44例60眼,NS60YG(ニデック社製):45例58眼,XY1(HOYA社製):55例89眼であった。術式は全例で超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ(IOL)挿入術を施行し,術後2日(2日),1週間(1W),1か月(1M),2か月(2M)までの術後屈折誤差を計測した。眼内レンズ度数計算式にはSRK/T式を用い,眼軸長と角膜曲率半径はIOLMaster(モデル500)で測定し,A定数は各眼内レンズの当科での最適化した値を採用した。
結果
術前での年齢・術前矯正小数視力・眼軸長・角膜曲率半径,角膜屈折値と,術後屈折誤差の経時的変化は3種類のIOLの間で統計学的に有意差はなかった。3種類のIOLの術後屈折誤差はNS1が0.22±0.58D(2日),0.06±0.47D(1W),0.05±0.48D(1M),0.03±0.40D(2M)であり,NS60YGが0.15±0.59D(2日),-0.06±0.43D(1W),-0.03±0.51D(1M),-0.11±0.48D(2M)であり,XY1が0.31±0.56D(2日),0.03±0.43D(1W),-0.02±0.44D(1M),-0.05±0.46D(2M)であった。術後2か月での3種類のIOLの屈折値は共通して近視化し,平均で-0.28±0.50Dだった。
結論
アクリルシングルピース眼内レンズ挿入眼では術後屈折誤差は経時的に近視化した。3種類のIOLにおいて術後2か月でNS1の誤差が最も小さい傾向にあった。
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