特集 調節機能:基礎から臨床まで
6 外斜視と調節微動
岸本 典子
1
,
藤井 千晶
1
1井原市立井原市民病院眼科(井原市)
キーワード:
調節微動高周波成分出現頻度
,
間欠性外斜視
,
眼精疲労
,
プリズム中和試験
,
斜視手術
Keyword:
調節微動高周波成分出現頻度
,
間欠性外斜視
,
眼精疲労
,
プリズム中和試験
,
斜視手術
pp.261-265
発行日 2019年3月5日
Published Date 2019/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001087
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一点を注視し,調節が一定であると考えられる状態で他覚的に屈折度数を連続して計測すると,計測値に正弦波様の揺れが出現する1)。これが調節微動である。調節微動は,高速フーリエ変換によって周波数0.6Hz以下の低周波成分と1.0~2.3Hzの高周波成分に分けられる。前者は調節制御に関与し,後者は水晶体とその支持組織の振動であり,毛様体筋の活動状態を間接的に表現しているとされている2)。毛様体筋に負荷がかかると,調節微動のうち高周波成分の出現頻度(high-frequency component of accommodative microfluctuations:HFC)が増加するので3),臨床においてHFCは眼精疲労のある症例に調節因子の関与があるか他覚的に評価する指標として活用されてきている。加えてHFCは,毛様体筋の活動性の低下や水晶体の硬化が始まる40歳代から減少していくことが報告されている4)。
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