特集 調節機能:基礎から臨床まで
5 近見反応 測定装置と方法
浅川 賢
1
1北里大学医療衛生学部 リハビリテーション学科 視覚機能療法学専攻
キーワード:
近見反応
,
輻湊
,
調節
,
瞳孔
,
クロスリンク
Keyword:
近見反応
,
輻湊
,
調節
,
瞳孔
,
クロスリンク
pp.253-259
発行日 2019年3月5日
Published Date 2019/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001086
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近見反応は,近方視の際に誘発される輻湊(輻湊運動),調節,縮瞳(輻湊反応)で,この3反応は皮質中枢において関連するクロスリンクがある(図1)。視標の接近に伴い,注視点と眼球との距離が変わると,両眼視差と網膜像のぼやけを生じる。輻湊と調節は,これらを誤差情報とするフィードバック機構と,それぞれが独立したプログラム機構を有する。瞳孔は不明な点が多いが,輻湊と調節に続いて制御系が駆動し,最も遅く縮瞳が起こる。このようなクロスリンクがあるため,病態の解明や診断には3反応の同時記録が不可欠である。近見反応の測定装置は,研究目的に試作されているが,眼科臨床では長期の懸案である。本稿では,輻湊,調節,瞳孔の測定装置と方法についてまとめるとともに,近見反応の同時記録の展望を述べる。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.