臨床報告
未熟児網膜症瘢痕期の閉塞隅角緑内障の2症例
菊地 彩
1
,
小豆嶋 明子
1
,
千葉 智恵美
1
,
大久保 雅俊
1
,
田中 三知子
1
,
橋爪 公平
1
,
黒坂 大次郎
1
1岩手医科大学医学部眼科学講座
キーワード:
未熟児網膜症瘢痕期
,
閉塞隅角緑内障
,
水晶体切除術
,
球状水晶体
Keyword:
未熟児網膜症瘢痕期
,
閉塞隅角緑内障
,
水晶体切除術
,
球状水晶体
pp.97-101
発行日 2019年1月5日
Published Date 2019/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001023
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未熟児網膜症(ROP)瘢痕期に発症した閉塞隅角緑内障の2症例を報告する。
症例1は3歳女児。ROPに網膜光凝固術が行われた既往がある。3歳で右眼の水晶体後面の線維増殖膜が水晶体を前方に偏位させたことによる閉塞隅角緑内障を認めた。水晶体切除と前部硝子体切除術を施行し,眼圧は下降した。
症例2は1歳男児。在胎23週で出生した。修正31週で後部劇症型未熟児網膜症を発症し,網膜光凝固術を施行された。1歳で右眼の水晶体が球状変化したことで閉塞隅角緑内障を発症した。水晶体切除術を施行し,眼圧は下降した。
ROP瘢痕期に発症した閉塞隅角緑内障に水晶体切除術を施行した。一例では,線維増殖膜が原因で,もう一例では水晶体の球状変化によって閉塞隅角緑内障を発症したと考えられた。水晶体切除術はROP後の閉塞隅角緑内障に有用な治療法である。
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