特集 黄斑上膜を習得する
1 変視の原因
岡本 史樹
1
1筑波大学眼科
キーワード:
黄斑上膜
,
変視
,
視覚関連QOL
,
内顆粒層(INL)
Keyword:
黄斑上膜
,
変視
,
視覚関連QOL
,
内顆粒層(INL)
pp.1543-1548
発行日 2018年12月5日
Published Date 2018/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000972
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黄斑上膜は40歳以上の約4%に存在し,黄斑疾患のなかで最も一般的な疾患である。後部硝子体剥離が起こった後に後極部に残存した後部硝子体皮質上でグリア細胞や色素上皮細胞などが増殖,分化し黄斑上膜を形成するとされている。特発性が最も多いが,網膜剥離や網膜裂孔,ぶどう膜炎,外傷などに続発する黄斑上膜も少なくない。自覚症状が全くないものから,視力低下を呈するものまでさまざまであるが,視力低下とともに変視や不等像視など,さまざまな視機能障害をきたすことが多い。黄斑上膜は変視を訴える代表的な黄斑疾患であり,約8割の患者が変視を自覚すると言われている。この項では変視とそのメカニズム,黄斑上膜における変視の特徴,他の網膜疾患との比較などを解説する。
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