臨床報告
球結膜充血と硝子体混濁を呈した成人発症川崎病の1例
田中 公子
1,2
,
石川 伸之
2
,
雑賀司 珠也
2
1南和歌山医療センター眼科(田辺市)
2和歌山県立医科大学眼科学教室
キーワード:
川崎病
,
ぶどう膜炎
,
成人
,
Kawasaki disease
,
uveitis
,
adult
Keyword:
川崎病
,
ぶどう膜炎
,
成人
,
Kawasaki disease
,
uveitis
,
adult
pp.1519-1522
発行日 2018年11月5日
Published Date 2018/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000944
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要 約
目的
川崎病は4歳以下の幼児に好発し,成人発症の症例はまれである。今回成人発症の川崎病患者で,眼病変を呈した1例を経験したので報告する。
症例
35歳男性。急性喉頭蓋炎の診断で耳鼻科において抗菌薬,ステロイド全身投与による加療後も持続する発熱の原因精査中,両眼の球結膜充血と霧視を訴え,当科受診。両眼に球結膜充血を認め,左硝子体混濁を認めた。診断基準は満たさないが,成人Still病としてステロイドパルス療法施行。解熱後に手足末端に膜様落屑が出現し,川崎病と診断した。ステロイドパルス療法で全身症状が改善するとともに眼病変も改善した。
結論
成人発症の川崎病はまれで,鑑別疾患に上がりにくいが,可能性を考えておく必要がある。
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