臨床報告
急性網膜壊死に対する硝子体手術の成績
麻生 健一朗
1
,
木下 太賀
2
,
橋本 りゅう也
1
,
昌原 英隆
1
,
井上 智之
2
,
前野 貴俊
1
1東邦大学医療センター佐倉病院眼科
2多根記念眼科病院(大阪市)
キーワード:
急性網膜壊死
,
硝子体手術
,
網膜剥離
,
ガスタンポナーデ
Keyword:
急性網膜壊死
,
硝子体手術
,
網膜剥離
,
ガスタンポナーデ
pp.869-874
発行日 2019年8月5日
Published Date 2019/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001283
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要 約
目的
急性網膜壊死に対する硝子体手術の成績を報告する。
方法
2011年から2017年の間に東邦大学医療センター佐倉病院で急性網膜壊死と診断し,薬物治療を施行するも手術加療を要した6例7眼の,手術成績や臨床経過について後ろ向きに調査した。手術治療は,経毛様体扁平部水晶体摘出術,トリアムシノロン硝子体可視化により徹底的な後部硝子体剥離作成および周辺部硝子体郭清を行った後に,輪状締結術,網膜光凝固,ガスまたはシリコーンオイルタンポナーデを施行した。
結果
平均年齢は59±16歳。男性2例,女性4例の6例7眼。発症から手術までの間隔は平均33±18日。2眼は網膜剥離を発症してから手術を施行し,5眼は薬物治療中に硝子体炎に伴う硝子体混濁が増強した時点で手術を施行した。初回手術時のタンポナーデ物質としてガスを6眼,シリコーンオイルを1眼で使用した。平均手術回数は1.0±0.8回であった。平均logMAR視力は術前1.15±1.07,術後最終受診時0.62±0.81(P=0.10)で,2段階以上の視力変化において,改善4眼,不変2眼,悪化1眼であった。術後再剥離は1眼にみられ,再手術でシリコーンオイルタンポナーデを行った。
結論
急性網膜壊死に対して,硝子体手術は有効であった。
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