Ⅰ.主訴からみた診断の進め方
10 複視
飯島 裕幸
1
1山梨大学医学部眼科
pp.1033-1036
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000821
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複視(diplopia, double vision)は通常,眼球運動障害による両眼の視線のズレで生じる両眼性の症状を指す。しかし「複視を訴える」として,他科医師や一般眼科医師から紹介をいただく患者のなかにはそれ以外の病態が多く含まれる。患者が「ものが2つに見える」あるいは「だぶって見える」と訴える場合,近視,乱視などの屈折異常,老視,初期白内障や変視症のことも多い1)。これらは単眼性複視と呼ばれ,眼球運動障害が原因ではない。
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