Ⅰ.主訴からみた診断の進め方
11 頭位異常
森澤 伸
1
,
長谷部 聡
1
1川崎医科大学総合医療センター眼科
pp.1037-1040
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000822
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一般に,人は正面の目標物を注視するときには顔を正面に向ける。そのとき眼は顔の正面(第1眼位)を保っている。上下や側方の目標物を注視するときには眼を動かすか,目標物に対して顔を正対させる。ところが,目標物を注視するときに横目づかい,上目づかい,下目づかいあるいは顔をかしげた状態をとることがある。これを頭位異常という。頭位異常は,1)頭部傾斜(head tilt),2)顔のまわし(face turn),3)顎の上げ下げ(chin elevation/depression)の3型に分類される。斜視の患者では,複視を避けるため無意識に頭位異常をきたしている場合がある(代償性頭位異常)。特に神経麻痺を代表とする非共同性斜視では典型的な代償性頭位異常(表1)がみられることがほとんどであるため,本稿ではこれらについて解説する。
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