連載 神経診察の思考プロセス 一般内科外来のカルテから・5
複視
大生 定義
1
1立教大学
pp.1474-1477
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106952
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症例:森本伸二(仮名)52歳男性
生来健康で職場の健診ではγGTPの高値をよく指摘されるが,ほかは異常を指摘されたことはない.時々酒を飲みすぎることがあるが,タバコは吸わない.物がダブって見えることには,2週間前書店でお釣りをもらうときに相手の手の上方に手を出したことで気がついた.その後,階段の足元が二重に見え,うまく歩けないこともある.会議などで向かいに座った人の顔が上下2つに見えることもある.近くの病院で血液検査(糖尿,炎症など)と頭部MRI/MRA検査を受けたが,異常は見つからなかった(結果持参).しかし,このままでよいのか心配で受診してきた.
問診票の診察前の血圧125/80mmHg,脈拍70回/分 整,体温35.6℃.
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