Ⅰ.主訴からみた診断の進め方
9 飛蚊症
石龍 鉄樹
1
1福島県立医科大学眼科学講座
pp.1029-1032
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000820
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飛蚊症は,黒点や薄い雲が視界の中を動いて見える自覚症状である。形態は,文字通り蚊が飛んで見えるような小さな暗点から,環状,玉状,雲またはインクを垂らしたような霞のように広がる暗点までさまざまである。多くは,硝子体腔中や網膜前の混濁により生ずる。患者が発症時の状況を覚えていることが多く,随伴症状と合わせて問診を行うことで,診断に至る重要な手がかりを得ることができる。多くは加齢に伴う硝子体の変性で生理的なものが多いが,網膜剥離など重篤な疾患発症のサインのこともあり,問診と散瞳しての診察が大切である。光干渉断層計(OCT)による観察も有用である。
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