特集 原発閉塞隅角症/緑内障─その対処法─
3.Clear lens extraction の有用性と安全性
栗本 康夫
1
1神戸市立神戸アイセンター病院(神戸市)
キーワード:
PACD(Primary Angle Closure Disease)
,
clearlens extraction
,
原発閉塞隅角緑内障
,
白内障手術
,
EAGLE study
Keyword:
PACD(Primary Angle Closure Disease)
,
clearlens extraction
,
原発閉塞隅角緑内障
,
白内障手術
,
EAGLE study
pp.219-224
発行日 2018年3月5日
Published Date 2018/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000583
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原発閉塞隅角症/緑内障(以下,原発閉塞隅角症疑いを含めてPACD:Primary Angle ClosureDisease と称する)は房水の流出路が位置する前房隅角が閉塞して眼圧が上昇する緑内障病型である。したがって,治療の第一義は隅角の閉塞を解除,ないしは予防することにある。前房隅角が閉塞するには閉塞しやすい解剖学的背景があり,一般に,外科的な治療介入によって解剖学的問題を解決することが求められる。外科的治療手段としては観血的手術とレーザー治療があるが,隅角閉塞を解消する治療選択肢のなかで水晶体摘出術(白内障)は最も汎用性が高く,最強の治療手段である。したがって,症候性の白内障が存在しない眼に対しても白内障手術,いわゆるclear lensextraction が閉塞隅角の治療として選択される場合がある。ただし,PACD 症例の水晶体摘出術では通常の白内障症例における手術に比べて合併症のリスクが高く,合併症に対して適切に対応できなければ重篤な結果を招く術式でもあるので,特に症候性白内障を有さないclear lens 症例においてはその適応には慎重な検討が必要となる。
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