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月経ひき出し—menstrual extraction
広井 正彦
1
1山形大学産科婦人科学
pp.371
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205180
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妊娠初期の人工中絶が比較的自由に行われるようになつてくると,より安全でより容易に施行できる方法が検討されるようになつてくる。
この時期における従来より用いられている方法は,頸管を開大し,鋭匙で子宮内膜を掻爬するものから,吸引により着床胎盤を吸引除去するものまでいろいろの方法が用いられてきている。しかし月経がおくれたか妊娠したのか判明しにくい妊娠のきわめて早期には,妊娠反応も陰性のことが多く,この時期の掻爬にはためらうことが多い。実際の臨床上,約15%の婦人は最終月経の日を忘れてしまつたり,無月経期間が35日以下でも約20%が組織学的に妊娠であることが確認されているといわれ,早期中絶ほど母体への障害も少いはずであり,そのためにもこの時期の中絶方法や器具が検討され,menstrual regulation (月経調節),menstrual induction (月経誘発),minisuction (小吸引器),mensesextraction (月経引き出し)などとよばれている。
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