Ⅶ.網膜硝子体
3.牽引性黄斑剥離を伴う増殖糖尿病網膜症
國方 彦志
1
1東北大学医学部眼科学教室
キーワード:
黄斑剥離
,
牽引性網膜剥離
,
糖尿病網膜症
,
硝子体手術
,
網膜光凝固
,
血管新生緑内障
Keyword:
黄斑剥離
,
牽引性網膜剥離
,
糖尿病網膜症
,
硝子体手術
,
網膜光凝固
,
血管新生緑内障
pp.1234-1238
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001885
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牽引性黄斑剥離を伴う増殖糖尿病網膜症は,そもそも網膜症の重症度が高く,手術難度も高いことが多い。網膜剥離が黄斑部に及んでいることが明らかになれば,特に急性の視力障害も伴うものは緊急性疾患あるいはそれに準じて扱う。よって,手術可能な施設に可及的速やかに紹介する必要がある。手術では,黄斑部や後極に裂孔を認めない場合は,基本的に線維血管増殖膜のみを丁寧に除去し終了する。裂孔を認める場合は,網膜下液を排液し,レーザー光凝固を行いガス置換し終了する。黄斑剥離が遷延している場合や黄斑下血腫をきたしている場合もあり,最終的に黄斑復位が得られても糖尿病性黄斑剥離は総じて術後視機能予後が良くはない。黄斑復位後でも黄斑浮腫や黄斑萎縮に至ることも多く,手術前の説明と同意が特に大切である。
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