眼科手術の適応―最新情報
7.涙道 4)先天鼻涙管閉塞の治療戦略
大江 雅子
1
1多根記念眼科病院(大阪市)
キーワード:
色素消失試験
,
自然治癒
,
先天涙嚢皮膚瘻
,
涙のうヘルニア
,
涙嚢マッサージ
,
早期プロービング
,
保存的療法
Keyword:
色素消失試験
,
自然治癒
,
先天涙嚢皮膚瘻
,
涙のうヘルニア
,
涙嚢マッサージ
,
早期プロービング
,
保存的療法
pp.1199-1204
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000163
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先天鼻涙管閉塞症(Congenital NasolacrimalDuct Obstraction:CNLDO)は乳児の眼疾患で比較的多く日常診察でみかける。諸外国では本疾患に対し,自然治癒を期待した経過観察が選択されることが一般的で,抗菌薬の点眼処方も数日のみである。しかし本邦では従来,早期プロービングによる治療が推奨されてきており,また抗菌薬の点眼も患児の初診時月齢が何か月であっても,漫然と処方されていることが多い。筆者が研修医時代に先輩からの耳学問として伝承された「長期間の閉塞による炎症は開口部のみならず鼻涙管にも線維化を促進する」というエビデンスも実は無い。現在も先天鼻涙管閉塞の治療についてはガイドライン等,その治療方針の明確なものは無い。
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