眼科手術の適応―最新情報
8.網膜硝子体 1)網膜静脈閉塞症の硝子体注射とレーザー治療
家里 康弘
1
1信州大学医学部眼科学教室
キーワード:
網膜静脈閉塞症
,
硝子体注射
,
レーザー治療
Keyword:
網膜静脈閉塞症
,
硝子体注射
,
レーザー治療
pp.1205-1212
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000164
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網膜静脈閉塞症(RVO)は大きく網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)と網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に大別され,かつてBRVO の標準的治療はレーザー治療であったが自然経過も良いと経過観察されることも多く,またCRVO は視力改善につながる治療が確立しておらず,血管新生緑内障など失明につながる重篤な合併症の予防が治療の主体であった。これまでRVO の治療法として外科的治療やステロイド局所投与も行われてきたが,近年になってVEGF 阻害薬の硝子体注射の有効性が複数の大規模臨床試験において示され1)〜5),現在RVO の治療法としてなくてはならないものとなっている。一方でレーザー治療は,VEGF阻害薬の登場によって役目を終えたかに思えたが,VEGF 阻害薬の限界が明らかになり,その役目が変わりつつある。本稿ではRVO のVEGF阻害薬の硝子体注射やレーザー治療をいつどのように選択したらよいか,治療にあたっての考え方について述べたい。なおそれぞれの具体的な手技はガイドライン等を参考にしていただきたい6)7)。
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