特集 胸部の最新画像情報2017
症例
輸血関連急性肺障害(TRALI)の1例
高見 康景
1
,
室田 真希子
,
新居 和人
,
三田村 克哉
,
石村 茉莉子
,
山本 由佳
,
西山 佳宏
1香川大学 医学部放射線医学講座
キーワード:
Steroids
,
胸部X線診断
,
抗炎症剤
,
術後管理
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
輸血
,
胸部CT
,
すりガラス様陰影
,
輸血関連急性肺障害
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents
,
Blood Transfusion
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Postoperative Care
,
Steroids
,
Radiography, Thoracic
pp.209-213
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017142937
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症例は70歳代男性で、左上葉肺癌に対して左肺上葉切除術を施行した。術後1日目に胸腔ドレーンより血性排液が増加した。術後3日目には貧血の進行を認めた。赤血球濃厚液(RCC)2単位の後に、新鮮凍結血漿(FFP)2単位を輸血施行したところ、施行4時間後に悪寒・呼吸困難の訴えがあった。著明な低酸素血症を認めた。胸部X線写真は、輸血前と比べて輸血5時間後では、両肺野に縦隔側優位に浸潤影の出現を認めた。胸部CTは輸血6時間後に施行し、両肺野やや内層優位にすりガラス影を認めた。両側少量胸水も認めた。急激に呼吸状態が悪化したため、人工呼吸管理となった。経過、臨床所見および画像所見より輸血関連急性肺障害(TRALI)と診断し、ステロイド投与を開始した。その後、呼吸状態や胸部X線写真の浸潤影は改善し、治療開始2日後に抜管した。
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