特集 腹部の最新画像情報2016
症例
男性尿道粘膜下炎症性偽腫瘍の1例
黒田 弘之
1
,
江原 省治
,
荒木 亜寿香
1出雲市立総合医療センター 放射線科
キーワード:
MRI
,
X線CT
,
肉芽腫-形質細胞
,
尿道炎
,
免疫組織化学
,
経尿道的前立腺切除
Keyword:
Granuloma, Plasma Cell
,
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Urethritis
,
Transurethral Resection of Prostate
pp.811-815
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319478
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49歳男。血尿、排尿困難を主訴とした。血液一般、生化学および凝固系検査に特記すべき所見はなく、CT所見では前立腺部尿道に3.2cm大の低濃度腫瘤を認め、造影後期相で軽度の増強効果を示した。MRI所見では腫瘤は境界明瞭でT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を呈し、ダイナミックMRIでは腫瘤は辺縁より徐々に濃染して後期には均一な造影効果を示した。経尿道的前立腺切除術にて前立腺部尿道粘膜下腫瘍を切除したところ、組織所見は炎症性筋線維芽細胞腫瘍(IMT)に類似していたが、炎症細胞浸潤が乏しく、ALKおよび筋原性マーカーが陰性であったことより、"IMTには分類できない炎症性偽腫瘍"に属する病変と診断した。術後1年経過時点で局所再発や転移はみられない。
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